埼玉県の離婚弁護士 レンジャー五領田法律事務所

小説一覧

妻を寝取られた男⑥

真一が全てを知ったことに気づいていない美帆は、その後も今までと全く同じ様子で、一家は何のトラブルも無いかのような毎日が続いていた。 美帆は浮気していることを隠し、真一はそれに気づいていることを隠している。はたからは一見幸

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妻を寝取られた男⑤

「あ、ちょっと疲れ目に効く目薬を…」 目薬売り場の前まで真一を案内してくれた彼女にひとりの中年男性が声をかけた。 「岡崎さん、レジお願い」 「はーい、店長」 と、その店長という言葉で、真一はあることを思い出した。 美帆が

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妻を寝取られた男④

傘で顔を隠しながら、真一は美帆の後をつけた。美帆は駅に向かうようだ。『まるで俺、ストーカーだな…』何かに取り憑かれたように真一は美帆を追った。 通勤時間帯の駅は混雑していたが、美帆が比較的目につきやすい明るいワインカラー

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妻を寝取られた男③

美帆は月水金の週3回、駅一つ離れたドラッグストアで朝から夕方までレジ打ちのパートをしている。月に8万円程度の稼ぎは、小百合のピアノの月謝以外は今後の教育費として美帆が管理することになっているが、その一部はWOODYと会う

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妻を寝取られた男②

真一はしばらく震えと激しい鼓動が止まらなかった。「落ち着け、落ち着け」真一は必死で自分に言い聞かせた。 立て続けに缶ビールを3本飲み終えたところでようやく少しだけ冷静さを取り戻した真一は、頭の中でこの出来事を整理してみた

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妻を寝取られた男①

忠告しておこう。 世の中には知らなくてもいいこと、知ってしまったが故に自分を追い込んでしまうことが往々にしてある。余計なことには下手に首を突っ込まないこと。不審に思ってもあえて追求しないほうがよい場合もあるのだ。 忠告も

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プラトニック夫婦⑦

ある晩、子ども達が寝ついたのを見計った僕は由香を居間のソファに誘った。「由香、ちょっとここに座ってくれる?」「なあに?」「こないだ何回か挑戦したけどうまくいかなかったこと、由香はどう思ってる?」「そのことね。私もいろいろ

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プラトニック夫婦⑥

今回の帰省ではあいにくチャンスがなかったけど、東京に戻った後、次の機会は思ったより早くやってきた。例によって金沢から僕の母が上京したのだ。 母親に本当のことを話すのはちょっと恥ずかしかったので、僕は有給をとり会社に行くフ

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プラトニック夫婦⑤

それからまた2年が経過した。大地と海斗は幼稚園の年長さんとなり、いよいよ来年からは小学生だ。ふたりとも相変わらず元気いっぱいで、個性の差も際立ってきて最近海斗は何かと口ごたえをするようになってきた。大地もすぐにそうなるの

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プラトニック夫婦④

大地と海斗はすくすくと成長し、幼稚園に入る歳になった。由香には少しだけひとりになる時間ができたけれど、その時間は結局掃除や買い物に充当されることになり、なかなかのんびり骨休みするというわけにもいかない。それでも子育てにも

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