埼玉県の離婚弁護士 レンジャー五領田法律事務所

小説一覧

スーパー☆(スター)弁護士⑦

「いやぁ、災難だったね。野犬に襲われたようなものだね。最近の子供は大人しいと聞くけど、そんなことないね。」 目を開けると僕は近所の総合病院のベッドに居た。両足は中世ヨーロッパの拷問器具のように宙吊りになっており、その間に

続きを読む »

スーパー☆(スター)弁護士⑥

 僕は司法試験に合格し、弁護士になった。ただ、僕が司法試験に合格した頃、ロースクール生が闊歩する時代に突入しており、僕ら旧い司法試験を受けていた組は彼らに劣後した。ロースクール生は僕らに容赦なくロ印を押し、当然というべく

続きを読む »

スーパー☆(スター)弁護士⑤

 東京の街は華やいでいた。同時に少し懐かしい感じもした。僕は上機嫌になってダレスバッグから法廷用のマントを取り出し、これを羽織った。誰もがキングコングとして生まれ変わった僕を見て振り返っているような気がした。スキップして

続きを読む »

スーパー☆(スター)弁護士④

 それから程なくして僕は手術台に上がった。ドクターはTSB代表の鏡健一だった。僕と鏡医師の出会いは10年前だ。医大生だった彼が駅でスカートを盗撮した罪で捕まった頃からの付き合いだ。親戚一同を引き連れてファミレスに来た被害

続きを読む »

スーパー☆(スター)弁護士③

 夕暮れの小学校に向かう。サッカー少年たちが芸術作品さながらの大きな壁に向かってボールを蹴っている。そこから少し離れて常に煙の立ち昇る無人焼却炉の近くに雲梯はまるで神からの試練かのように六本並べて地面とまっすぐに立てられ

続きを読む »

スーパー☆(スター)弁護士②

 妻が選んだ弁護士はキレキレの弁護士でもなく、細長い自社ビルで本をいっぱい出している東京の家事スペシャリスト集団でもない。この地方都市で未だに法テラス(※2)の配転を受け続けている伝説の女弁護士「海老寺蕾」だった。 僕は

続きを読む »

スーパー☆(スター)弁護士①

 僕は脈略もなく異議を出したり意味もなく検察官請求証拠を不同意にしたりして裁判官を困惑させることを趣味にしている。その態度は親から譲り受けた性悪に由来するものだったが、期せずして僕の依頼人たちを無性に喜ばせていた。だが、

続きを読む »

妻を寝取られた男⑨

それから10日ほど後、たまたま仕事で品川方面に来ていた真一は、特に理由はないが林のいるドラッグストアをのぞいてみた。林の姿は見当たらない。と、こないだヘマをしたアルバイト君が見つかったので声をかけてみた。 「林店長は休憩

続きを読む »

妻を寝取られた男⑧

美帆と林の密会はおおむね1ヶ月に1回のペースだったようだ。そして、美帆と話をしてから最初のその日が近づいて来た。もちろんその間も何事もなかったかのような偽りの日々は続いている。 あの日以来、美帆と林の話は一切していないし

続きを読む »

妻を寝取られた男⑦

新しい店長が赴任してきたその夜、美帆は林に電話した。 〔林さんですか?高原です〕 〔ああ、おつかれさまです。新しい店長はどんな感じでした?〕 〔柳沢店長は林さんの言っていた通り、元気で明るい人ですね〕 〔僕は柳沢君が入社

続きを読む »