埼玉県の離婚弁護士 レンジャー五領田法律事務所

腐男子になりたい

先生、お久しぶりです。いつもおれの相談を聞いてくれてとても申し訳なく、思ってます。夜中の3時にダメもとで電話したら、先生が電話に出て「どんな相談ですか?」って訊かれたから「妻が不倫してるみたいなんです…。」って答えたら、夜中にも関わらず話を聞いてくれてからの付き合いですね。先生はおれに、その間男と奥さんはどんな性交をしたと思いますかって聞いた。あの質問って要るのかしら。あと、マイマイカブリの話。蝸牛の体液を啜る首の長い奇妙な昆虫の話です。マイマイカブリが蝸牛を好物にする虫と聞いても何とも思わないが、マイマイカブリが蝸牛を見つけて静かに音も立てず殻の中に頭を突っ込んで体液を静かに吸い上げる様を逐一想像すると怖い。妻の寝盗られもそれと同じです。それと同じって。この譬え話を真夜中にされる人の気持ち分かるでしょうか?おれあの後、妻と見ず知らずの男が性交する様を先生が仰る通り逐一想像して、自涜しました。想像自涜なんて本当に久しぶりだった。妻がどうやって服を脱がされたのか、間男は妻の下着はどうやって脱がしたのか、フィストファックはしたのか、それはハードだったか、それともソフトだったか、滑らかな体勢移動からクンニリングスに移行してそれらを行ったり来たりする内に妻はアクメに達する。恥ずかしい告白ですが、その時点でおれは射精したんです。幼いとき、近所の川で夕暮れに小魚を釣った時のような微かなビクビクビクビクッ、橙色と黄色の真ん中に黒い線が入った浮が川面に沈んで、一瞬見えなくなった。懸命な小魚の小刻みな抗いの感触、そんな射精。そもそも妻と間男の想像自涜の前戯で射精することなんて有り得るのだろう?先生は勿論ありますって言ってたけどその根拠って何なの?でしょう。でも不思議ですね。オードリーヘップバーンで自涜しろって言われたら皮が擦り剥けて、自分の奥さんだったら挿入まで持たない。そう言えばとうとう妻が子供連れて家を出て行きました。涙、涙です。だから次に会うときおれは元気がないかも知れない。先生言いますよね。吉田拓郎の歌で久しぶりに会う人には元気ですって答えなきゃならないみたいな歌があってその歌の題名がどうしても思い出せないって。昨夜眠れなかったんで明け方ふとSiriに向かって「吉田拓郎、元気」って呟いた。その歌の題名2秒後に出て来ました。その歌「元気です」で丸は付きません。先生なんで今までヘイSiriしなかったんですか!でもおれって先生に会う時にまで元気に振る舞わなければならないのかな。言いましたっけ?とうとう前から言ってたあの手術しようとして生まれ故郷の名前が付いた美容クリニックに診察に行った話。HPには11万円って書いてあったんですけど、その値段で手術したペニスの失敗写真を何枚も見せられるんです。それはとてもじゃないけど思い出すことの出来ない悍ましい写真でした。前腕の腕の毛の濃い先生が「どっちがいいですか?」って尋ねるんです。おれは11万円じゃない方が良いですって答えました。そしたら、見積もりは総額188万円でした。おれが「11万円じゃないんですか?」と聞いたら、その医者「貴方の陰茎はカリがない。女性のヴァギナはカリの戻しに快感を得るんです。魚を釣る針と同じです。針には必ず返しが付いてますよね。返しがなければ、魚は逃げてしまう訳ですから。ところが貴方の陰茎はカリが殆どない。言わば、返しのない釣り針なんです。当然、釣れませんよね。だから、まずカリを作るために陰茎をヒアルロン酸で増大しましょう。」と。確かに私の陰茎は私の父や母方の祖父なんかと比べて先細りでした。色も薄く30%割引のこし餡のよう。断って帰ろうとしたら帰り際に薮睨みの女に診察料2万円も請求された。途端に先生に相談料払おうと思ってポッケに入れてた皺くちゃになった1万円を思い出す。先生は消費税の計算が面倒になるからと「お子さんにおもちゃでも買って下さい。」って言って下さいました。おれ泣きました。どっちで泣いたのか分からないです。そう言えば先月、実家に一通の訃報が届きました。中学校の同級生で菅間さんという人です。死因は心停止だそう。えっ当たり前?気になっていたプロレスの試合で「決め技なんだった?」に「体固め。」って答えられるのと同じ。3カウント前の必殺技を知りたいのに…多分自殺なんだ。その子のことで覚えていることがあります。中学一年生のことです。誰だってあるでしょうが、クラスの女子、出席番号順にオナニーしてた頃がありました。何の障壁も感じずに「す」まで行きました。砲丸投げの加藤さんや重度のアトピーの小山さんという難所を危なげなく乗り越え、俺は菅野さんまで辿り着いた。ゴールデンウィーク明けに陸上部の鰐崎さんでフィニッシュする。何せおれは帰宅部の13歳で、柔らかな東風が吹くだけでコチコチになってしまう自家発電の原発のようだ。これって暗喩直喩のどっち?兎に角おれは直喩の自家原発だった。そんな折、何でもない数学の授業で俺はトンデモナイ光景を見たんです。物憂げな一次方程式を解きながらおれは教室の左の最後尾から来るべきその放課後に思いを馳せながら菅野さんの背面を猛禽類のそれのような眼差しで眺めていました。亡くなった菅間さんは私の前に座っていた。斜め右の席は水泳部の中村で、朝練の余波でゆったりゆったりと船を漕いでいた。俺の真右にはその年の暮れに特別学級に移った西村が座っている。そしたら、菅間さんは股間をコクヨの机の引き出しの角にギュッと押さえ付け始めた。ギュッギュッと抑え始め、俺はそれを見ていたが、誰もそれに気づくものはいない。ギュッギュッは次第にリズムを帯び始め、菅間さんは頬を赤めながら、身体を夕暮れの返しのある針に引っ掛かった小魚のように小刻みに振るわせグッタリと動かなくなった。その放課後、菅間さんに体育館倉庫に呼び出された。彼女は黴臭い体育館倉庫でおれに「見たでしょ?」と私に言いました。「あっ、いえ」「うん。」と答えると、彼女はふと諦めたような表情を浮かべ、器械体操のマットの上に寝かせたおれの顔に跨り、ブルマースを脱いでオナニーを始めた。おれはセンズリを始めた。菅野さんのイメージと眼前の光景を戦わせみました。劫火の前の蝿のような奮闘でした。そして虚しくブタの鼻のようなクイムを眼前にしながらおれは自分の頭上を飛び越すほどの射精をしました。そうやっておれの出席番号順にオナニーするいう試みは突如として終わることになります。今思えばあれは青春期における最大にして崇高な挑戦でした。あんなことはもう出来ないやしないしそんな気概すらもうない。まるで根っからの実存主義者がサラリーマンになり、自分はもう実存していないのではないかと自身に問い掛けるようだ。いやいやそれを超え、もはやおれにはおれの精嚢に生きているおれの精子がいるかどうかすら分からない。おれの精嚢は清流で採れた鮭の白子のように澄み切っているみたいだ。おれには妻が間男と性交するのを想像して射精することが関の山です。ところで、先日の裁判は残念な結果になりましたね。先生が全部不同意で臨んだ強制性交の否認事件、女装して全部傍聴してました。判決、少女の供述調書じゃないかって思うほど、そのまんまでしたね。少女の供述は全面的に信用出来る。なぜなら18歳間際にも関わらず処女でレズだったという自分に不利な事実も誠実に供述しているからである。レズだの処女だのって全部嘘。あんなの。どうしてあの女証言台に立たなくてよくなったんですか?先生が突然スクリーンに向かって「付添人の婦人警官が泣いてる!」って異議出して条文上の根拠がないと裁判長に却下された。あの真ん中に座っている裁判長どことなくおれのペニスの皮を摘んで伸ばしたり縮ませたりしたクリニックの医師に似てた。ビデオリンクを通し個室から氏名秘匿のA子ちゃんが「止めて止めてと言いました…でも、レイプされました。」と言った瞬間あの被告人は有罪が確定したんですね。個室ビデオで殺された数億個のお玉杓子の呪いか何かのよう。それにしてもレイプって言葉が持つ力は凄まじい。まるで美味しいみたい。とはいえ先生の最終弁論の演説には感動しました。フィニッシュは自分の腹の上にしたと言ったA子に対し、被告人は青年期における自慰のし過ぎで挿入しながらの射精が出来なかったから自分でシゴいて自分の腹の上に出した。射精情景の鮮やかなコントラストが素晴らしく綺麗。確かにA子は出された精子をどうやって拭いたかの供述をしていなかった。でも先生、性懲りも無くやりましたねマイマイカブリの寓話。だけどあの被告人は避妊しなかったのが運の尽き。ところで避妊するレイプ魔って実在しないと思いますか?実在するとすれば随分礼儀正しくて清潔好きなレイプ魔でもはやレイプ魔でもない気もする。レイプ紳士といっていい。ただ裁判官の合意があった性交だったらコンドームを要求するはずだという認定は完成した永遠なる童貞を彷彿させました。あの発想はある種、勉学でしか辿り着けない境地なのだろう。一方で被告人はA子のアソコを舐めて驚くほど匂いがしなかったと供述していた。アレには萌えました。殆どのアソコは少なからずドブみたいな臭いがする。そう言えばおれが童貞のころバイトしてた寿司屋で店長に「おまんこってどんな匂いがすると思う?」って訊かれて前日に観た「溢れ出る水蜜桃」っていうアダルトビデオの題名思い出して「甘い桃汁か檸檬みたいな匂いですか?」って答えたら板前さんは勿論お客さん全員が大爆笑した。「コレだよ、コレ」と耳元で叫ばれながら赤貝を鼻に押し付けられて窒息死しそうになった。その何年か後で弟が同じ寿司屋でバイト始めた時「あいつは面白かったなぁ。お前つまんねぇけど。」と言われて1週間で辞めたそうです。ふと思ったけどマスク美人って哀しい。マスク不美人というのが居たらいい。マスクをしていたらブスで、マスクを外したら絶世の美人みたいのが居たら世の中は間違いなく素晴らしいよ。だけど現実はそうじゃないじゃん。マスクをしたブスはマスクを外したらもっとブスだ。そんな現実を思うと世の中が途端につまらなくなる。もう一つ告白すると、腐女子という言葉が好きではない。それに引き換え腐男子の響きは良いよね。おれは腐男子だと嘘でもいいから公言してみたい。腐男子の日記を読んでみたい。ゴリラみたいな女がサイケな女にペニスバンドで凌辱される様を思い浮かべながら自涜する。その男が持つ世界観を日記という形式で読みたい。その日記は「4月の風は光り5月の風は薫る。その風の切り替わりの間、私は坂道を転がり落ちる卍のように交わる彼女らの艶かしい姿態を思い浮かべながらひねもす、自涜をしていた。」みたいな感じで始まるといい。なんて奥ゆかしいんだろ。ふと初恋のことを思い出した。それはそれは壮絶な恋。毎朝、早起きをして誰よりも早く小学校に登校しその子の笛を舐めたり、お尻の穴に擦ったりした。飽き足りなくなって前日に釣って来た繁殖期のオイカワをキビナゴみたく爆竹で繋いでその子の防災頭巾の上でマッチを擦った。バンババン、バババババンッという乾いた音がした。急いで家に帰って、母親の電気あんまを延長コードで繋いでベランダで松の木を見ながら碧い水の射精をする。パンツを着替えると母親に怪しまれるから、そのままにした。どうせ水のような精子、乾燥すれば元通りになる。登校すると初恋の子はうぇんうぇんと泣いていた。きみの悪い泣き顔だった。それを見て爆竹がもったないと感じた。近所の駄菓子屋で200円もしたのに。平泳ぎの顔はまだ耐えられたけどあんなきみの悪い顔にはもう耐えられない。おれの初恋はそうやって終わりました。またお便りすると思います。