財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。法律にも、離婚の際には、相手方に対し財産の分与を請求することができる(民法768条1項)と定めています。
女性が活躍する社会になっても変わらない法制度
近年、男女雇用機会均等法の整備などにより、女性の社会進出が進んでいます。厚生労働省の調査では、正規雇用者だけでなくパートタイマーなどの非正規雇用者も含めて、2014年における専業主婦(妻が無業)の割合は38%です。1980年では65%だったのに対して、専業主婦は約半分にまで減っているのです。さらに今後ますます女性の社会進出は加速していくでしょう。にも関わらず、法制度は多くの女性が専業主婦だった頃と変わらない旧態依然としたままなのです。
基本的には財産は折半するもの
離婚時には、夫の収入も、またその収入で購入した不動産や車、保険なども夫婦の共有財産とみなされます。妻の家事労働も評価の対象となり5:5として認められる傾向にあるのです。つまり名義に関係なく財産の原則的に2分の1づつ分けることが一般的なのです。これは「結婚している間に、夫婦間で協力して形成・維持してきた財産については、その名義のいかんにかかわらず夫婦の共有財産と考え、離婚の際には、それぞれの貢献度に応じて公平に分配しよう」という考え方が基本となっています。
専業主婦(無業の妻)で家事負担が少ない家庭など、ケースによっては、現在の離婚時の財産分与の制度は、多くの男性にとって納得し難い制度になっているといえるのではないでしょうか?世間一般的に「離婚時は男性側が不利になる」という印象はこうした判例や制度から印象づけられているのです。
離婚後の生活を見据えて
「離婚を機に慰謝料や養育費などの負担が大きく、自己破産してしまった」こうした男性は決して少なくありません。当事務所では法の原則や判例を尊重しつつ、ご相談者の言い分を尊重して財産分与に関して粘り強く交渉します。男性側にも離婚後の生活があります。当事務所は、ご相談者が人生をやり直し、幸せになるために、余裕を確保できるように協議や調停、裁判に臨んでいます。
離婚における財産の分配は女性にとって有利になりがちといえる要素が多くあります。しかし、弁護士とともに臨むことで必要以上の譲歩を避けることができるケースが多くあります。「どうせ、半分は妻が持っていってしまう」と諦める前に、まずは一度ご相談ください。