埼玉県の離婚弁護士 レンジャー五領田法律事務所

【男の離婚相談】確かに僕は彼女を殴った。だけど、浮気をしたのは彼女の方なんだ

妻は僕の自慢の存在でした。私の父親が産まれて初めて僕を褒めてくれたのは妻と結婚の挨拶に行ったときです。美人だし、頭がいい。才色兼備を絵に描いたような女性で、しかも女医なんです。僕は結婚してすぐに親友のKを家に呼びました。僕は学生時代、Kに何一つ勝てなかったけど、Kが「お前の奥さん医者なんだって?それにしても凄い美人だな。」と言ったとき、心の中で「やっとだ。やっとこいつに勝てた。」と思いました。だけど、悪夢は突然のタイミングでやってきました。僕が熱を出して会社を休んだ日にたまたま妻が携帯を家に忘れて行ったんです。そしたら電話が掛かってきて、発信者名はKでした。僕はKが自分と間違えたんだろうと思って何の疑いもなくスワイプをしました。そしたら電話の向こうでKが「今日、いつもの場所でいい?」と言って来たんです。深夜になって帰宅した妻は「オペが大変だったわ。」と言って床に就こうとしました。僕は頭が真っ白になって、妻の頭を蹴ってしまったんです。次の日、彼女の父親が家に来て「今後一生娘に連絡をしないでくれ。」と言われ妻とはそれっきりです。会社の顧問弁護士に相談したら「警察沙汰にならなくて良かったですよ。でも、慰謝料は請求されるでしょうね。」って言うんです。慰謝料を貰うのは僕の方だと思います。悪いのは、僕じゃない。浮気をした妻と僕を裏切ったKなんです。

相談者:男性、28歳、会社員
妻:27歳、医者
結婚歴:2年、子供なし


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良かったじゃないか。オレもそう思う。友人と寝るような女にロクな女はいない。子供が出来る前に破綻を迎えたお前は本当にラッキーだったと思う。それともう一ついいことを教えてやる。悪いのはお前だ。お前は油断したんだよ。父親に初めて褒められた。親友に初めて勝てた。それで満足してブタのようになってしまった。だから親友に寝首を掻かれたんだ。人生は戦場だ。決して油断してはならない。頼むぜ、友よ。それだけは覚えておいてくれ。


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一言に慰謝料と言ってもあなたが請求する慰謝料と請求される慰謝料はその法的な性質が異なります。前者は不貞行為により平和な家庭生活が乱されたことによる慰謝料、後者は蹴られて損害を負ったことに対する慰謝料です。一般に、暴行による慰謝料は怪我の程度にもよりますが皆様が思うより高くなく、不貞行為は女性に求められる慰謝料は少ないとは言えこのケースでは200万円は請求できると思います。そのため双方が請求をすれば、結局のところ相殺(損害の差し引き)により少なくとも150万円はあなたが請求できることになります。

他方で友人K氏に対する請求は仮に請求をすれば300万円は下りません。もっとも、奥様とともに共同不法行為(民法719条)に基づく言わば連帯債務となっているため、決して双方から併せて450万円を請求できることにはならないことには注意が必要です。

しかしながら、示談交渉においては契約自由の大原則により相手が払うと言えばそれで済んでしまうという側面があります。相手が払えばそれで済むのですが、あっさりと支払われてしまうのもそれはそれで傷つくものです。とはいえ、せめて慰謝料だけはというのが傷つけられた人々の最低限の思いです。あなたの思いに寄り添ってくれる弁護士を探すのが次の幸せに進める第一歩ではないでしょうか?